こんにちは、まんぷくケアプランのまんぷくです(●´ω`●)
今日は病院に勤めていた時に8年間共に働いた同期について話をしていきたいと思います。
昔の精神病院
とある精神病院に私は勤めていました。
友人の親からの紹介で、結婚を機に転職をしたのです。
今でこそ、どの病院も患者さんへの人権を尊重し正しく接しているとは思いますが、15年以上前の当時は看護師や介護士が目に余る対応を患者さんに対して行っていたのを覚えています。
中には、そのような対応は間違っていると共感してくれる人はいましたが、一緒に声をあげてくれるような人はいませんでした。
浮いているのは私の方だったようです。
同期の彼
私には同じ年の同期がいました。
私が特養に勤めている頃、彼は美容師の仕事をし、そこで相当酷い嫌がらせを受けて辞めることになり介護の道に進んだようです。
なので彼にとってはその精神病院が初めての介護の職場だったのです。
彼は綺麗事を一切言いませんでした。
きっと仕事に対して何も期待していないし、悟っていたのでしょう。
「これは仕事。心を持ち合わせていようがいまいが同じ給料をもらえる。」
そんな彼が、なんだか心地よかったんです
彼は誰よりも福祉の心を持っていなかった
「福祉の心」と問われれば
・皆に平等に権利がある
・誰もが幸せに
・他者を思いやる心
などが思い浮かぶのではないでしょうか。
私は福祉職を目指すのであれば、そういった概念は必要であると思うし、そうでないなら福祉職をする必要はないと思っています。
周りの士気を下げるくらいなら、他にも職はあるのでそちらに移ってもらった方がよっぽどいい。
ただ、どうしてか彼に対してはそう思わなかった。
完全に「無」だったんですよね。
例えば嫌がらせをする看護師や横暴な態度の介護士というのは、情緒にムラがあった。どこかしらそういった行動をすることで自分の何かを発散させたり、気を紛らわせようとしているように思えました。
止めてもその場限りで、また違う場所で繰り返す。本当に患者さんのために辞めてほしいと思っていました。
一方で彼はどうだったかというと、そういう場にいたらその場の空気に合わせて嫌がらせをする。
一人の時はそんなことをするわけでもなく、かといって患者さんと向き合うこともない。
組織としては優秀な人材なのでしょう。
むしろ組織にとっては自分の正義を振りかざす私の方がよっぽど厄介だったに違いありません。
心がないのは仕事の時だけ
かといってプライベートの時はというと、彼はよく笑いよく飲み最高の友人でした。お互いの家に寝泊まりし、バイクの後ろに乗せてもらってはカラオケなどにもよく行きました。
私が退職する際は彼が男泣きをしてくれたことは今でも脳裏に焼き付いています。
印象的なエピソードとしては
私の家に泊まった時、私が朝に何をどう間違えたのかドライヤーを洗濯機に入れて回してしまい、ぶっ壊してしまった時「二つ持ってるからやるよ」と言い譲ってくれた彼には今でも感謝しています。
このエピソードからも本当にやばいのは私の方じゃないかと思われるかもだが気にしないでいただきたいです。
つまるところ彼は「いい奴」なのです。そして誰よりも優しい。
ただ仕事に関しては「虚無」である、と
働きアリの法則
私は横暴乱暴な職員はいらないと思うが、彼のように虚無な職員はいても良いのではないかと思っています。
例えば私のように正義感高めのうざい職員がいた時に、フラットな人がいるといったんチューニングをさせてもらうことができます。
あっ、今のだいぶウザかったな、気付かせてくれる。
または横暴ポンコツ民にとって良い塩梅の立ち位置にいてくれる。
一方で働きアリの法則では優秀な人2割:普通な人6割:ダメな人2割に組織は収束すると言われています。
それを加味して割合に表すなら
優秀な人材20%
福祉人40%
意識高い人10%
虚無10%
ポンコツダメ人間20%
介護業界ではこれぐらいが理想なのではないかと思われます。
完全に独断と偏見です(笑)
ちなみにこの意識高いのも虚無なのも人並みに働いているという前提のパーセンテージです。意識高いだけで実務が伴わない場合はポンコツに入れるべきかもしれません。
まとめ
今日はふと元同期の友人の事を思い出して記事を書きました。
退職してからというもの、もう連絡を取ることはなくなりましたが、今なお彼はきっとそこで「虚無」を貫き、働いていることでしょう。
誰にも何も求めず、自らも何も持たない。
そんな彼に巡り合えたことで私もいろんなことを考えさせられました。
※これはあくまで私が15年以上前に経験した一職場での話です。今の精神科医療現場は大きく改善され、患者さんの権利を尊重する体制が整っています。
★おまけ★
入社当初に私も彼も同じとある先輩からとてつもないパワハラを受けてましたが、その時だけは彼はさすがに虚無らずキレてました(笑)