ケアプラン点検とは?実際に受けて学んだことや注意すべきこと

介護保険

こんにちは、まんぷくケアプランのまんぷくです(●´ω`●)

実は先日ケアプラン点検がありまして
事例を提出し、その事例について保険者から連絡があり、電話面談にてなんとか無事に終えたというところです。

ケアプラン点検の内容というのは運営指導などの際にも確認される重要項目です。

今回確認していただいた内容についてまとめたので、是非参考にし対策として役立ててください🍀

ケアプラン点検とは


ケアプラン点検というのは、ケアマネがきちんと自立支援に向けたケアマネジメントができているか保険者が確認することです。これによってケアマネが日々の業務に何が足りていなかったとか、こうしたらもっと良くなるといったことを「気付いてもらう」というのが目的なわけです。

対象者は?

保険者によって異なりますが、この度岡山市は
(1)市内の居宅介護支援事業所で作成された岡山市を保険者とする、
  以下①~③の要件のいずれにも該当する全てのケアプラン
  ①要介護1
  ②令和7年4月利用分に初回加算または退院退所加算を算定
  ③主治医意見書の日常生活自立度(認知症)がⅡa またはⅡb
(2)新規事業所(令和6年度以降開設) 保険者(岡山市)が選定
以下の(3)~(5)は、(1)に加えて実施する
(3)新規事業所(令和4年度以降開設) 保険者が選定
(4)高齢者向け住まい等対策のケアプラン点検 保険者が選定
(5)その他(ケアプラン点検を必要とする事業所) 保険者が選定

といった条件に当てはまる事例を提出するように、各事業所に通達がありました。
私の事業所は4月に開業したばかりなので(3)に当てはまりますが、(1)の条件に当てはまる方の事例をすでに提出しており、そのケースのみ面談する形で終えることができました。

この対象者はその時々で内容が異なりますので、あくまで参考までに、というところでお願いします。

提出書類

提出書類:(1)
ⅰ フェイスシート・アセスメント表(課題分析標準項目(23 項目)が記載されたもの(任意様式可))
ⅱ 居宅サービス計画書(利用者の同意を得た1~3表)
ⅲ サービス担当者会議の要点
ⅳ 居宅介護支援経過(介入時~サービス担当者会議の開催までの記録があるもの)
ⅴ サービス利用票・利用票別表(該当のケアプラン立案時のもの)
・ 提出方法は、持参、郵送、e-mail のいずれか
・ (2)~(5)の提出書類は事前に通知する提出依頼にて案内

私はメールで送りました。提出期限は通達から一か月ほどとありましたが、私は来て二日ほどですぐに提出しました。

面談はどんな感じで始まるの?

事前に保険者から連絡があり
・時間は30~40分
・提出書類が手元にある状態にしておいてほしい
ということで日程調整をし、連絡を待つ形でした。

他の事業所さんに聞いてみると、1時間くらいかかったという方もいて、その方はかなりプランへの指摘があったようなので、内容によって時間の違いはあるかもしれませんね💦

私の場合はすごく優しくて丁寧に教えていただいて勉強になりました

実際の面談の内容について

ケアプラン点検について

「基本的な原則について確認していただき、運営指導とかでも記録として押さえておくことや、事前点検としても自己点検のやり方を覚えてもらえたら。あと利用者さんの課題分析がきちんとできているかといったアセスメント力を向上するというテーマもあるので、着眼点を振り返るという目的もあります」との事でした。
運営指導では不足部分に対しての減算などはありますが、ケアプラン点検はそういった目的で行っているのではなく、あくまでケアマネジメントの向上を目指しているので減算とかはなく前向きに捉えてもらえたら、というところですね。

アセスメントシートについて

アセスメントシートは「これを使用しないといけない」といった様式は決められていないので、各事業所ごとに異なったりしています。
私はヒトケアさんが作っているアセスメント23項目を網羅している様式を購入し、それを採用しており、問題ないとのことでした。
保険者としても「定められた内容がきちんとチェック項目としてあるか」というところをまずみられるそうです。

知人は以前勤めていた事業所のアセスメントシートをそのまま採用していたようで、最新版ではなく23項目が網羅されていなかったため指摘があったようです。
起業したての方とかは、事前に保険者に「この内容で問題ないか」とアセスメントシートをチェックしてもらったもいいかもしれませんね(●´ω`●)

プランを作成する際の注意点

まず一番初めに聞かれたことは
「ケアプランを立てる時や初回面談の際にどういう点に気を付けて、あるいは本人の課題を見る時の視点などどういう風に気を付けていますか?」
といった問でした。

突然の質問で一瞬焦りましたが、普段から思っていることをそのままお伝えしました。

「正しいかどうかはわからないですが、私としては初回面談でいきなり正解は出せないのかなとは思っていまして。それこそ”本当は絶対こうした方が良いのに”といった、”絶対に先はこうなるんだよ”ということをお伝えしたとしても、中々受け入れられない方もいるでしょうし。なので、”先はこうなる、けど今はここから始めよう”といった段階的なケアマネジメントを信頼関係を構築しながら進めて行っています。それこそ相手がどんな方かにもよりますが、相手の思いなどを尊重した提案ができるように気を付けるようにしてます。」

といったことを伝えました。返答としては
「信頼関係が重要なので、”専門職と利用者”というより人と人の関りから信頼関係を構築し、その中で本当のニーズが分かってくるのでとても良いと思います。どんな人かわからない人に自分のことはしゃべりたくないですしね、この人であれば相談できる、といった対象である必要があるので」
とのことでした。

おそらくこの問いに関しては「利用者の尊厳やニーズの引き出し方。信頼関係について」を見ているのかなと思いました。たぶん、ここでそんな間違える方はいないのかなと思います。

まずは総括

各項目のチェックの前に、総括の話がありました

こちらで見させていただいた感想ですが
・全体的に基準に沿った良い記録と提案ができている
・アセスメントも漏れがなくかけている
・医療系サービス導入の際のDrの所見も、どういう内容の留意点かがかけている

といったことを言われました。
なので、一連のマネジメントをもれなくきちんと書かれているかをしっかり見られます。っていうところですね
それこそ、
・どういった経緯で初回面談に行き
・どんなニーズがあって
・そこにどんなサービスが必要で
・事業所を複数提案し
・医者からも意見を頂いたことを記録に記載し
・それらをケアプランに落とし込んで
・会議録にきちんと必要事項を残せているか

といったところですね。
そのうえで、この事例対象者について、今後どのように支援をしていくかというのをアセスメントを見ながら確認していきましょう。とのことでした

アセスメントの確認

①利用者の経歴や家族関係の確認
私が今回指摘を受けたのは、妻の年齢が記載できていなかったことでした。
「妻が主介護者であるなら、妻の年齢や能力、どういう不安材料があるのか等について把握しておく必要がある。」ということで、「確かに(; ・`д・´)」と感じた瞬間です。特に介護者がいないとその方の生活が成り立たない、といった状況であるならなおさらそういった情報が必要と言われ納得した次第です。

②主訴と意向
主訴と意向はそれぞれ別で書くべき、というのは目からうろこでした。
私、いままでまとめて書いていたんですよね💦
でもこの二つ、何が違うの?というところですが、保険者が仰るには、例えば

主訴:膝が痛いから手すりを借りたい
意向:これまで通り妻と一緒に外出を楽しみたい

といったように、要は

主訴=直接なニーズ
意向=ニーズが解消された後にどんな生活を望んでいるか

というとらえ方をしたらいいんだよ(●´ω`●)とのことでした。
なので、今度から気を付けたいところですね💦

さらに以降に関しては抽象的な文章にするのではなく、例えば
「夫と一緒にこれからも自宅で過ごしていきたい」といった意向があるとして、これだと万人に当てはまる意向ですよね。それではだめです、と

なので夫と一緒にどう過ごしてどうありたいのか、というところを深堀する必要があるんですよね。
「夫と一緒に週に一回でも散歩をしながら、自分の役割である調理や洗濯を毎日続けていきたい」とかですね。その人の生活や家族の中の役割とか、やりがいや楽しみなどのヒントを掘り起こしながら作った方が良い
とのことでした♪

※余談ですが
実はこの度要介護1の方を対象に点検したのは
そういった各自の発信力ややりがいなどがきちんとあって、個別性を作りやすい。といった背景があるからだそうです。
例えば要介護5とかになると、なかなか自分らしさが生まれにくいですが要介護1であれば活動性や本人の思いを発信できるであろう、ということでケアマネジメントのコツをしっかりつかんでほしいといったことで要介護1の方を選定したそうです(●´ω`●)

③ニーズを把握し明確に。ケアプラン2表への記載

次に介護申請にあたり何が不都合でどうしたいという思いがあったのか。
といったことの確認でした。

要はきっかけとそれに対するアンサーがケアマネジメントやケアプランに反映されているか、というところですね。

ここではしっかりニーズの聞き取りができているか、ということが問われます。利用者は何が問題でどう解決したいのか、それによってどう生活が変わるのか。といったことを説明しました。
今回の事例で言うと
・訪問看護や福祉用具が必要になった経緯と環境整備の必要性
について細かく説明しました。

ただ、その言葉が私のプランの2表にはきちんと反映されていなかったんですよね。どちらかというと抽象的な内容で書いてしまっていたので、ここで話をした内容を2表のニーズや長期目標・短期目標にちゃんと落とし込む必要があったなと反省しました💦

初回はとりあえずのプランになりがちですが、次はより具体的に書けるようにしましょう(^^♪ と暖かい助言を頂きました(´;ω;`)ウゥゥ

④日常生活自立度について

以前はこの項目って医師と調査員の2人の項目だけだったんですが、改正によりケアマネの意見も記入するようになりました。

これは
認定期間がどんどん伸びて今は認定期間3年の方も多くなってきており、3年もあれば調査当初の判断と現状が違うということも増えてきたからという背景があるようです。なるほど、ほんと勉強になる(●´ω`●)

というわけで、この日常生活自立度も医師・調査員・ケアマネの3項目がきちんと書かれている状況にしましょう♪

⑤健康状態について

疾病や身長や体重のところですね。もちろん項目を埋めることは大事ですが、気を付けるべきところは「血圧」のところですね。
例えば既往歴に「高血圧」と書いてある割には血圧がいくらか把握していないといったことがあるので・・・と言われてました(;^ω^)
確かに!・・・と思う反面、血圧の把握ってなかなか難しいですよね💦

でもまぁ、要は「健康の指標を数字で表す」という点で
体重・・・はじめは認定調査の時の医師からの情報で書けるが、それ以降ってなると、デイに行ってるとかでないと中々書き辛い。訪看とか入っているなら、家に体重計があればぜひ支援の際にでも測ってもらいたいですね。とのことでした

⑥ADLについて

私のケースの場合、福祉用具をレンタルしていたので「なにができなくて、どこに何のためにその福祉用具を設置するのか。」といった根拠をきちんと示すことができる内容になっていればOK。といった感じでした。

⑦IADLについて
ここではどんな役割をもって普段生活し、生活リズムはどうかといった内容の確認でした。
このあたりもきちんとアセスメントをして答えられるようにしておいた方が良いと思います。
特に日中の過ごし方とかですね。これから先どんな生活を思い描いていて、その為に介護保険サービスだけでなくインフォーマルサービスとかでも何かフォローすることができないかなどを壁打ちする形で話をしました(●´ω`●)

⑧社会とのかかわりについて
家族や近所の方とどういう風に関わっているかとかですね。
どんな関係性でどれくらいの頻度で、てな具合で具体的にこたえられるようにしておきましょう♪

また今回の私のケースに関しては訪看が入って緊急時訪問看護加算を算定していたので、「もしもの時」についてご家族と結構深堀していたんですよね。
万が一の際にどういう風に対応するのかを確認し、表にして家に貼っておく
。そういった対応をしていることについて伝えると、高評価を頂きました。というのは、緊急時訪問看護加算を算定するということは「もしもの備え」が欲しいということ。それは加算を算定するから解消されるものではなくて、普段からどういった取り組みをしているかも大事なわけなんですよね。参考までに(●´ω`●)

緊急時の対応について

先ほどの「緊急時の対応について」ですが、一表に載せなさいという訳ではないが「緊急時の対応について話し合いをしています」ということが大事なので。
○○が体調不良の際はもしもの時リストを作成している。またその内容について、各事業所と共有している。
などを総合的援助の方針に載せてあるとより良いですよ、とのことでした。

ケアプラン2表について

ここでは長期目標や短期目標について、今までのアセスメントの流れからどう書いたら具体的になるか、などを一緒に詰めていくっていう作業ですね。

もうここはしっかりアセスメントさえしておけば後はOK
柱を立てて、そこに目標を入れていく。たとえば
①体づくりに関するニーズとそれに関する普段行う具体的な目標
②健康管理に関することで訪問看護導入の理由や意向を取り入れた目標
ここまでの壁打ちで出てきた言葉を当てはめていくっていう作業ですね。

「具体的にするっていうことが大事ですよ(^_-)-☆」ってことでした

ケアプラン3表について

3表ではサービスだけでなく、主な日常生活上の活動も書いてあることが大事で、食事や就寝とかだけでなく日中の過ごし方などもしっかり書いておくようにしておきましょう♪

担当者会議録について

①出席者:名前と職種・役職(管理者・福祉用具専門相談員など)がかいてある
②検討した項目:ここに関しては、初回の場合は「初回」とまず書く。そしてそのあとに①本人・家族の意向について とか ②サービス内容について
とか書いていくのが良いとのことです。
③検討内容:医療サービスの場合は主治医の意見の内容まできちんと書く。
「医師から所見をもらっている」だけにはならないように。
あとは、検討内容に沿って①本人・家族の意向とか②サービス内容として事業所からの意見なども書いていく。
各事業所がどんな対応をしていくのかを書いてあることが大切で、特に福祉用具などはどこに何をどうすることでどういう生活になるかということを書いてあることも大事。
④結論:どこの事業所がいつから何をするのかが簡潔に書いてあればOk

利用票について

福祉用具のTAISコードがきちんと反映されているかとかもみられました(●´ω`●)

支援経過について

・初回の導入にきっかけ
・事業所の提案
・契約やアセスメントを自宅で行っている
・複数事業所の提案をしていく
・届け出の申請代行を行う
・契約書を同意署名もらい交付した、という記載

こういった文言がチェック内容になるようです。

まとめ

というわけで、今回ケアプラン点検の内容について全てお話しさせていただきました。

結構SNSとかではケアプラン点検への不要論などを見受けられますが、私としては自身のケアマネジメントを見返す良いきっかけになったし、やってよかったなという気持ちがほとんどですね。

「点検は評価ではなく成長のチャンス。事業所もケアマネも、ご利用者様のためにより良い支援を形にするきっかけになります🍀」

ただまぁ確かに忙しい時にひと手間増えるのは、状況によっては厳しいですよね。ケアマネは更新研修とかもありますし💦

「一年の間に1ケース好きなタイミングで」とかならいいんですけどね(笑)

是非この記事を読んで、ケアプラン点検あるいは運営指導対策に役立ててください(●´ω`●)

それではまた🍀

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